入院中の東京女子医大では日がな一日やることもなく、東病棟からウォーキングがてら外来棟の「からだ情報館」まで出向いて、
パソコンや病気に関する本をあさって読んでました。まだ、病理検査の結果前だったので、癌じゃないといいなぁ・・・とか、生存率はどうなんだとか、癌の種類はあるのかとか、
そういや嫁は「白モツ」っていってたから、白かったんだろうなぁ・・・とか、「大丈夫。きれいに取れましたよ」といった教授は細胞の色を目視してるんだから、
最悪の結果なら「大丈夫」は言わないよなぁ・・・とかと、もの思いにふけりながら、からだ情報館で見つけた「腎癌のすべて」という本を読みながら書いたノートです。
参考になればと思いここに記しておきます。詳しくは主治医や専門家にお尋ねください。詳細はメジカルビュー社「腎癌のすべて」を読んでみてください。
◆送料無料の楽天ブックスでもお取り寄せが可能です。
ここからどうぞ。
Ⅰ 腎臓癌の種類
①腎癌取扱い規約による分類
1 ■良性腫瘍(腺腫)
1.1 ●乳頭状/管状乳頭状腺腫(4%~37%)
※淡明細胞から構成されるときは、淡明細胞癌と考えるべき。
※遺伝子的異常も乳頭状腎細胞癌に類似し、癌の前駆病変である可能性が高い。
1.2 ●オンコサイトーマ(3%~5%)→東京女子医大では1%(マホガニーブラウン色)
1.3 ●後腎性腺腫
2 ■悪性腫瘍
2.1 ●淡明細胞癌(70%~80%) ※浸潤性を示すこともある。
2.2 ●顆粒細胞癌
2.3 ●嫌色素細胞癌(5%)→東京女子医大1.8% ※淡明細胞がんに比べ予後が良い。
2.4 ●紡錘細胞癌(内腫様癌) ※最も異型度が高い→淡明細胞癌の5%
2.5 ●乳頭状腎細胞癌(10%~15%)
3 ■集合管癌(0.4%~2.6%)
②組織学的異型度による分類
- ①異型度Ⅰ (Grade1;G1)
- ②異型度Ⅱ (Grade2;G2)
- ③異型度Ⅲ (Grade3;G3)
- ④異型度判定不能 (GradeⅩ;GⅩ)
③WHO分類 1998年
- 1.2 Malignant carcinoma(悪性腫瘍)
- 1.2.1 Renal cell carcinoma(腎細胞癌)
- 1.2.1.1 Clear cell carcinoma(淡明細胞癌)
- 1.2.1.2 Granular cell carcinoma(顆粒細胞癌)
- 1.2.1.3 Chromophobe cell carcinoma(嫌色細胞癌)
- 1.2.1.4 Spindle cell carcinoma(紡錘細胞癌)
- 1.2.1.5 Cystassociated renal cell carcinoma(嚢胞随伴性腎細胞癌)
- 1.2.1.5.1 Renal cell carcinoma originating in a cyst(嚢胞由来腎細胞癌)
- 1.2.1.5.2 Cystic renal cell carcinoma(嚢胞性腎細胞癌)
- 1.2.1.6 Papillary renal cell carcinoma(乳頭状腎細胞癌)
- 1.2.2 Collecting-duct carcinoma(集合管癌)
Ⅱ 予後を反映すべき与件(分類)
予後判定に考慮される主な分類手法
- ●異型度+腫瘍型 → 同異型度でも嫌色素・乳頭状は良好、集合管は不良。
- ●発育様式
- → 膨張型(expansive type)は予後良好のものが多い
- → 浸潤型(infiltrating type)は予後不良のものが多い
- ●組織学的浸潤増殖様式 ①INFα ②INFβ ③INFγ
- ●病理組織学的TNM分類
- ●その他の分類
- ※Kovacsの分類 ※Thoenesの分類 ※Fuhrmanの分類 ※AFIPの分類 ※吉田らの分類
◆進展度 UICC(Union Intenationale Contre Le Cancer)によるTNM分類
- T-原発腫瘍
- TX 評価不能
- T0 原発腫瘍を認めない
- T1 7.0cm以下で、腎に限局する
- T1a 最大径が4.0cm以下
- T1b 最大径が4.0cm超7.0cm以下
- T2 7.0cmを越え腎に限局する
- T3 主静脈内に進展or副腎浸潤or腎周囲脂肪組織浸潤butGerota筋膜を超えない
- T4 Gerota筋膜を超えて浸潤
-
- N-所属リンパ節
- NX 評価不可能
- N0 転移なし
- N1 1個の所属リンパ節転移
- N2 2個の 〃
- M-遠隔転移
- MX 評価不可能
- M0 遠隔転移なし
- M1 〃 あり
◆Stage-病期分類
Ⅰ期 |
T1 |
N0 |
M0 |
Ⅱ期 |
T2 |
N0 |
M0 |
Ⅲ期 |
T1 |
N1 |
M0 |
|
T2 |
N1 |
M0 |
|
T3a |
N0、N1 |
M0 |
|
T3b |
N0、N1 |
M0 |
|
T3c |
N0、N1 |
M0 |
Ⅳ期 |
T4 |
Nに関係なく |
M0 |
|
Tに関係なく |
N2 |
M0 |
|
|
T、Nに関係なく |
M1 |
◆予後判定
癌特異的 5年・10年 生存率 (東京女子医大1979年~2000年、516例)
|
5年 |
10年 |
・StageⅠ |
99.2% |
97.5% |
・StageⅡ |
86.4% |
86.4% |
・StageⅢ |
74.6% |
59.7% |
・StageⅣ |
21.0% |
12.0% |